↑へのコメント。
スマホブラウザGoogle Chromeの新しいタブを出した際、下方「Discover」という欄に、たまたまおススメとして出てきた記事。
読むと、6年制薬学部1期卒業生が誕生して今年で10年、彼らが歩んできた10年間を書籍にしたという宣伝記事で、書籍企画者の1人が日経DI編集部のインタビュアーに回答していくといった内容だった。
その回答者の経歴を見て、ツッコまずにはいられなかった。
(えぇぇぇーーー、そりゃないぜw)
思わずニヤけてしまったw。
いやだって、薬剤師のキャリアの多様性なんでしょ?
可能性なんでしょ?
お医者様ですやんw。
これモヤった薬剤師いるような気がするよw。
もしくは、こうしてまんまとコメントしているわけだから、日経DIの巧妙な戦略なのか。
俺自身、学歴コンプはあれど
(それだって、当時と比較すれば、あくまで自分の中で、今はほぼ無くなったといえる。
いや、無くなったというか他のコンプレッックスに押しやられて、コンプレックスの順位が下がったというか)、
天に誓って、医学部・医者コンプは露程もない。
なぜなら、過去のコメントでもう何度も触れた通り、1浪してもFラン大学にしか入れなかった学力と、何よりも医療は、俺にとって、ただのすべり止めでしかなかったからだ。
人生で最も塞ぎ込んでいたFラン大学での1年次から2年次に掛けて、やっと心を開いても良いかと思えたほんの僅かな友人にだけは「本当は旧帝・早慶に行きたかった」旨、「1浪し、現役生ではない状態でこの大学へ来てしまったくせに、学歴コンプだけはいっちょ前な、どうしようもない奴のたわごと」という包装紙を用いてグルグル巻きにした状態で、謙虚さ(があれば、そもそもそんな思想にならないがw)と共に打ち明けていたような話だった。
ところが、何の集まりだったか、皆がみな仲良しというわけでもない飲み会で、驚愕させられた。
「本当は医学部へ行きたかったんだけど、~」
未だに覚えている。
(俺たちはFラン生なんだよ。
でも、傍から見れば、俺も彼女と同じ様なことを言っているな。)
俺は恥ずかしくなった。
Fラン大学の見識をお持ちの方、ちゃんとした大学の薬学部卒の方、医学部生やお医者様など、方々には信じられないことかもしれないが、Fラン大学薬学部生ですら医学部を夢見た者も確かにいたのだ。
ということは、ちゃんとした大学の薬学部卒者の中に、本当は医師になりたかった者がそれなりの人数いることは容易に想像できる。
もちろん、その熱量はもう冷めているかもしれない。
だが、病院実習時に出会った、病院内でも社会的にもそれなりの地位も名誉もある中年(当然、今よりも入学が遥かに難しかった旧4年制薬学部卒)薬剤師の、医師の薬剤知識の乏しさを鼻たかだかに実習生へ語る姿、神妙な面持ちで本当は医師になりたかった旨、俺ではない他の優秀な実習生に語る姿は、今も熱量を持って俺の中に焼き付いている。
だから、書籍企画者で薬剤師資格を持っていたとしても、お医者様を宣伝記事の一発目の紹介者に持ってくるのはどーなの?感がジワジワ、ジワジワとくる。
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良い機会なのでブログの収益化に取り組んでみる。)
さて、宣伝記事のタグ「これが私の薬剤師ライフ」を押してみると、他に8本の記事がヒットする。
それぞれの記事に書籍紹介が掲載されていることから、恐らく、ヒットした8本の記事それぞれの執筆者も書籍に掲載されているものと思われる。
さらに、日経DIが運営する求人サイトにて40本の記事を見つけた。
せっかくなので、計48本の記事についてもコメントする。
上記8本(2022/8/20現在)は日経DI会員登録(無料)が必要なものの、下記、
日経DIキャリア掲載40本の記事は会員登録不要で閲覧できる(2022/8/20現在)。
感想は、強いてあげれば
- 「公務員薬剤師」
- 「20歳~23歳まで美容師、25歳で薬学部入学」
- 「精神科門前薬局の薬剤師を経て、CRC部門へ異動」
- 「製薬企業品質管理職」
- 「いじめられた経験があるのに、人を嫌いにならず、患者と学生に寄り添う薬剤師」(これだけ無料会員登録必要な日経DI)
上記記事はやや興味深く、その他の記事は、兼業薬剤師など変わったものもあったが、ストレートにいうとつまらなかった。
言うまでもないが、彼らの歩みをつまらないといっているわけではないし、俺には決して歩むことのできない素晴らしいキャリアだと思った。
ところが、文章として読むと「そうだよね。そういう感じだよね。」もしくは「へー、そうなんだ。」という、想像の範囲に収まる話ばかりに感じられ、想像が追いつかない、想像を超えてくるような驚かされる記事は無かった。
記事の多くは、薬剤師や医療の仕事に対する前向きな想いと、それに基づく前向きな行動が、ただひたすらに、綺麗な経過を辿る内容だった。
中には、壁にぶち当たる内容もあったのだが、思考を巡らせ行動することで道が開けたといった、就職活動のエントリーシートを読んでいるような展開に感じられた。
いずれにしても、俺には起伏の乏しい淡々としたストーリーと捉えてしまった箇所が多分にあった。
例えば、彼らのキャリア形成に転職がかかわっているケースも少なくなかったが、転職理由として多い、ドロドロとした人間関係のトラブルや、勤める会社の将来性、給与面など、彼らの素晴らしく立派な理想や思想からはかなり離れたところに追いやられているのかもしれないが、しかし、確実に共存しているであろう、現実的な想いや、現実的な感情の動き、現実の生活など、リアルで生々しい話が一切出てこない。
だから、惹きこまれなかった。
元々は求人サイト向けの記事ということから、Fラン大学薬学部生だった当時の鬱屈とした気持ちを可能な限り掘り起こして向き合ってみたものの、この記事の筆者を参考にしようとか、あの筆者のようにはなれなくとも、筆者の行動や選択に勇気付けられたり、新たな視点を提供してもらったり、彼らのように、自分もこれからの道を多角的に考えてみようなどといった気持ちが湧くことも無かっただろうと思った。
むしろ、記事を読めば読むほど、自分とのあまりの思考回路の出来の違いから、つくづく、薬学部入学を後悔し、心底うんざりさせられていたと確信する。
薬学部へ通っていること以外、Fラン大学薬学部生の自分と彼らとの共通点を見い出すことができず、まるで別学部での話かのように感じていただろう。
こんな感想となってしまった原因は、きっと、俺の薬剤師に対する前向きな思いがあまりにも乏しいせいで、完全に俺のせいなのだろう。
また、いずれの記事もどことなく画一さを感じること、求人サイト向けの記事だということから、記事の構成がある程度決められていて、それに沿って書く必要があったのかもしれない。
冒頭の宣伝記事では、これら48本の記事が掲載されているであろう書籍を、中高生とその親にも読んでもらい、薬学部志望のきっかけとなれば幸いといった趣旨が書かれている。
これに関しては、まあ参考になるのかなと思った。
さらに、
- 企業の品質管理職(記事は1本だけだったので、もう少しあっても良い)
- 去年、オリンピックがあったのだから、オリンピックで活躍したスポーツファーマシスト
(ドーピングに関して専門知識を持つ薬剤師。
もしかすると、6年制薬学部卒薬剤師は従事していなかったのかもしれない。) - 日本だけでなく海外の薬剤師免許を取得し、現地で働く国際派(6年制薬学部卒者にいるか知らんけど)
など、職種のバリエーションを増やせれば、より良いものになるに違いない。