ゴクツブシさんのコメント

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「進学校の理系に通う息子が突然「声優学校」を志望、困惑する親が迎えた劇的結末」へのコメント

diamond.jp

↑へのコメント。

 

良い記事だった。

高卒後は「声優学校へ通いたい」と言い出した進学校に通う高2の息子の相談を持ち掛けられた記事の筆者が、その真意を探りだし、両親と息子に説教した結果、声優学校ではなく、難関大学文系学部へ進学したという話。

 

息子は、父親から理系>>>>>>>>>文系を刷り込まれたものの、数学などの理系科目は不得意で成績不振。

このまま高3になり、大学受験しても良い大学の理系学部への進学は望めないと悟り、代替進路を絞り出す必要性に迫られ、仕方なく、今の自分にとって一番好きといえそうなアニメ・漫画・ゲームへの好きな気持ちを伸長させて、声優の道へ進みたいということにしたんだろうな。

 

俺も、特に親からの刷り込みがあったわけではなく、「就職先が豊富にあるから」という、大元の出所がわからない友人たちの口ぶりを心に刻み込み、受動的に理系を選んだことから、一番点数の取れた科目は政経だった。

英語は壊滅的にできなかったが、国語は1度だけ全校の中でも上位に位置したらしく、「ちゃんとやればできるんだから」と言った赴任1,2年目の若い先生の口ぶりを今思い出した。

 

当時を振り返ると、英語をなんとか頑張って、国語と政経でマーチ(明治、青山、立教、中央、法政を示す大学群名)のどこかしらの学部には引っ掛かって、Fラン大学なんかに通うハメにはならなかったのでは?と思わなくもないが、そうしなかったのは、少なくとも、俺と俺の周りの理系生徒の常識では、理系>>>>>>>>>文系だったからだ。

その根拠は「理系科目の成績が良ければ、文系学部入試でも通用する」という友人たちの口ぶりで、やはり、それに同意し、心酔し、心に刻みこんでいた。

 

今の高校生の間にも、理系・文系のそのようなしょーもない序列的価値観があるのかは分からないが、もしあるのだとしたら、この息子も文転を決めるまでに葛藤があったのではないかと思う。

理系クラスの友人たちから、「あいつは逃げたw」「あいつには、もう、文系学部しか選択肢がない」と思われることは、高校生なら耐え難いことだと思う。

また、文転することは理系科目への敗北を認めることになるわけで、いくら不得意だと自覚していたとはいえ、その悔しさに折り合いをつけることは大変だったのではないかと思う。

 

俺自身は、理系科目への敗北を認めたくなかったといこともあるが、それよりも、自分が本気になりさえすれば必ずできるようになると信じ、できるようになるならば、理系だけでなく文系学部をも選択肢に含めることができるのだから、文転などしないという考え方だった。

からしたい、学びたいことが何もなかったからこそ、選択肢を減らすという選択を取る事は、恐くてできなかった。

 

この息子が、高校生特有の自意識や理系科目への敗北を受け入れたのか、俺のように選択肢を減らすことの恐怖に打ち勝ったのか、あるいは、他の何かを受入れたのか、打ち勝ったのか、もしくは、文系科目が能動的に好きだったからなのか、いずれにしても、賢かったから葛藤を乗り越え、文転できたのではないかと思う。

この息子と比べると、高校生の時の俺は明らかに賢くなかった。

きっと将来、俺は変われるのだろうと、ただ願うだけで、戦略的に進路を考えていなかった。

考えられなかった。

 

難関大学文系学部への進学が決まり、きっと、絞り出した結果の声優への道は、もはや、無かったことになっているのだろうと記事からは想像できるが、実は2年生あたりに、声優学校とのダブルスクールを開始していた、なんてことにはなっていないのだろうか?

なっていたら、意外と本気だったのかもなと思えて、ちょっと面白いのに。